クリニックの開業計画を進める上で不可欠な、オープニングスタッフの募集方法や採用の流れについてまとめていますので参考にしてください。
クリニックの開業に向けて適正なオープニングスタッフの採用を叶えるためには、そもそもどのような人材が何人必要なのか、また就労条件など、細かく条件を設定して採用計画を立案しなければなりません。
採用計画の作成や立案についてもいろいろな考え方がありますが、基本的には以下のような項目を検討することが必要です。
まず、スタッフの人数については初期費用を抑えるためにも、事業運営や求めるクリニック像に対して必要な最少人員を考えることになります。具体的には看護師など医療従事者の人数や受付スタッフの有無といったポイントを、クリニックの事業規模に合わせて検討します。また、それに伴って必要な資格やスタッフのスキル、専門性についても考えなければなりません。
なお、シフトや業務スケジュールについては、労働基準法も踏まえて無理のない条件を考えます。アルバイトやパート勤務は人件費を抑えやすい反面、シフト管理が難しくなることもあり、正社員とパートの募集バランスを考えることも大切です。
人件費や福利厚生といった労働条件は採用活動の成否に直結する一方、コストをかけすぎるとキャッシュフローが悪化するため、コストバランスを考えながら全体を調整してください。
スタッフの人数を考える場合、まずは法的に定められている「人員配置標準」を確認することが必要です。
例えば耳鼻咽喉科・眼科を除いた一般病院において、1日の外来患者40人ごとに最低1人の医師が必要となり、あるいは外来患者30人に対して看護師1人が最低必要です。ただし、これはあくまでも法的に必要な最低人数であり、受付対応や患者対応など実際の業務を安定化するためにはさらに人的余裕を確保することが求められます。なお無床診療所であれば外来患者数の定めがなく医師1人でも開業可能ですが、現実的ではありません。
そのため一般的な経営戦略では「1日の最大患者数の70%」を基準として患者数を試算し、「患者20人に対してスタッフ1名」のバランスで人数を考えます。
ただし実際に開業するまでは1日の最大患者数を確かめられないため、基本的に個人クリニックであれば「2、3名のスタッフ」を目安にすると良いでしょう。
引用元:クリニック未来ラボ|クリニックの適正人数は?職種別の配置目安と人件費率の計算式を紹介(https://cl-mirai-lab.doctorsfile.jp/article/15138)
スタッフを募集する方法として、例えば公共サービスである地元のハローワークを利用したり、民間の転職エージェントや人材紹介会社を利用したりといったものが考えられます。また、近隣に看護学校など医療人材の育成を行っている施設や機関があれば、そちらに求人の相談をするといった方法も有効です。
その他、コストを抑えたスタッフ募集の方法として、現代ではSNSを活用したプロモーション戦略も効果的です。ハローワークの求人や転職サイトの募集などでは、どうしても求職者に対して提供できる情報やイメージにも限界があります。しかしSNSであれば任意の写真や情報を発信してアピールできるため、上手く行けば求める人物像に適合する求職者を見つけられるかもしれません。
ただし、いずれの場合も開業スケジュールを前提として採用計画を立てるため、採用にかかる期間や効率、コストも考慮して多角的な方法を検討することが大切です。
具体的に募集する人数や人物像などが決まれば、改めて賃金規定や福利厚生、業務形態などの募集条件を煮詰めていきます。
正社員の給与やパート従業員の時給を考える際には近隣の競合クリニックの求人情報が参考になります。
また、加入する保険など福利厚生については競合クリニックとの差別化戦略につながる反面、固定費によって利益率を低下させる要因にもなるため、採用後のランニングコストやキャッシュフローも踏まえて慎重に検討してください。
スタッフ募集に必要な諸条件が定まれば、求人情報として各媒体へ掲載して求職者からの連絡を待ちます。なお、求人媒体に情報を掲載した後、求職者からのリアクションがあれば履歴書や職務経歴書が届くため、書類選考(一次選考)の方法や、その後の面接といった採用活動のルート構築も前もって行っておきましょう。
面接は求職者と対面して人物像を直接チェックできる反面、開業前の多忙な時期に面接日時や面接会場を設定したり、実際の面接では相応の時間を費やしたりしなければならないため、まずは書類選考で求める人物像に適合しているか否かをしっかりと検証することが大切です。
なお、患者の生命を預かるという医療業界だからこそ、書類選考では資格や経歴だけでなく誤字脱字の有無や必要事項に記入漏れがないかといった、ヒヤリハットのリスクにつながるポイントも意識して確認しておきます。
面接当日は人任せにすることなくクリニック経営者として求職者に向き合い、限られた時間を有効活用して、お互いの理解を深めることが重要です。
医師や経営者として求める人物像を設定しているように、求職者にとっても働きたい環境や求める条件があるため、採用後のミスマッチやトラブルを回避できるよう面接時にきちんと確認や相互理解を進めることを目指しましょう。
なお、面接では履歴書などの書面から確認できないポイントの確認が肝要であり、例えば応募理由や前職の退職理由、業務に対する不安や疑問点といった要素は聞いておくようにします。一方、差別的な発言や圧迫面接、ハラスメントといったリスクを回避できるよう、質問事項はあらかじめリスト化しておくといった工夫も大切です。
面接を終えて採用する人を決めたら、速やかに採用通知を送って入職日などを共有します。なお不採用者だからといって雑な扱いをするとクリニックの悪評につながりかねないため、むしろ不採用通知ほど慎重な配慮が求められます。
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