日本医師会が運営する「地域医療情報システム(JMAP)」で公開されている光市・山口県全体のデータに加え、県内主要都市の状況も参考にしながら、光市におけるクリニックの将来性や競合状況、診療科目別の施設数などを分析・解説しています(2026年8月26日時点で確認可能な情報に基づく)。
あわせて、光市で実際に開院したクリニックの事例も紹介しています。光市で独立開業を検討している医師は、診療科目や診療圏、将来的な経営方針を検討する際の参考にしてください。
光市の総人口は、2020年の4万9,798人から2050年には3万4,459人となり、約31%減少する見込みです。特に15~39歳の人口は1万114人から6,062人まで減少すると予測されており、若年層・現役世代を中心とした外来患者だけに依存する経営では、長期的な患者数の確保が難しくなる可能性があります。
JMAPが示す計算式をもとに算出すると、2020年を100とした場合の2050年の医療需要は約80まで低下する水準です。人口減少に合わせて、地域全体の医療市場も縮小していくことを前提に開業計画を立てる必要があります。
一方、75歳以上人口は2020年の9,928人から、2030年には1万1,333人まで増加し、2050年でも9,819人とほぼ同程度の規模を維持する見込みです。介護需要についても人口ほど急激には減少しないと考えられるため、慢性疾患管理や在宅医療、リハビリテーションなど高齢者を支える医療ニーズは今後も一定程度残るでしょう。
光市で長期的なクリニック経営を目指す場合は、現在の患者数だけで判断するのではなく、将来の人口構成を踏まえて診療内容を設計することが重要です。
光市の一般診療所数は30施設で、人口10万人あたりでは60.24か所です。山口県全体の70.86か所を下回っており、人口規模に対して一般診療所が特に集中している地域とはいえません。
また、人口10万人あたりの常勤医師数は162.66人で、山口県全体の233.45人を大きく下回っています。一方、人口10万人あたりの病院数は12.05施設と県平均の10.06施設を上回るため、光市では病院と診療所の役割分担も意識した開業戦略が重要になります。
診療所の数だけを見れば競合性は比較的抑えられているものの、光市は約5万人規模の市場であり、今後さらに人口減少が進みます。そのため、「競合が少ないから開業する」のではなく、既存医療機関で満たされていないニーズを見つけることがポイントです。
専門外来やリハビリ、在宅診療、通院しやすい診療時間など、地域住民が必要としている医療機能を明確にしたうえで開業することが、患者を安定して確保するために求められます。
人口10万人あたりの施設数を診療科目別にまとめました。
| 内科系診療所 | 40.16 |
|---|---|
| 外科系診療所 | 22.09 |
| 小児科系診療所 | 14.06 |
| 皮膚科系診療所 | 12.05 |
| 眼科系診療所 | 4.02 |
| 耳鼻咽喉科系診療所 | 4.02 |
| 精神科系診療所 | 4.02 |
| 産婦人科系診療所 | 0.00 |
診療科目別に見ると、光市では皮膚科系診療所が人口10万人あたり12.05か所あり、山口県全体の6.56か所を大きく上回っています。小児科系も14.06か所で県全体の11.92か所を上回っており、これらの診療科目では既存院との競合状況を慎重に確認する必要があります。
一方、眼科系は4.02か所、耳鼻咽喉科系も4.02か所と県平均を下回っています。さらに、JMAPの診療所分類上では産婦人科系診療所が0施設となっています。ただし、病院で診療が提供されている場合もあるため、施設数だけで「医療が不足している」と判断するのではなく、周辺市を含めた患者の受療行動を確認することが重要です。
光市のように人口規模が比較的小さい地域では、市内だけで診療圏が完結するとは限りません。下松市や周南市など近隣地域の医療機関も競合となるため、市境を越えた診療圏調査を行い、自院が担える空白領域を把握することが開業成功のポイントになります。
光市では一般診療所数が県平均を下回る一方、今後は人口・医療需要ともに減少していくことが予測されています。そのため、新規開業では既存クリニックと同じ診療内容を提供するだけでなく、地域内で不足している機能を明確にする必要があります。
特に、後期高齢者人口が今後も一定規模残ることを考えると、生活習慣病などの継続管理に加え、訪問診療や介護事業者との連携、運動器疾患へのリハビリなど、高齢者が地域で生活を続けるための医療は重要な選択肢になります。
また、診療科目によって競合状況には大きな差があります。人口統計だけでなく、既存院の診療内容や専門性、立地、診療時間、近隣市への患者流出などまで調査し、「なぜこの場所にこの診療科が必要なのか」を明確にした開業計画を策定しましょう。
狙う領域が決まったら、その診療科目で必要になる動線設計(待合/処置/動線分離)や設備、集患(紹介連携・Web導線)まで理解している支援会社に相談すると計画がブレにくくなります。
当メディアでは、診療科目ごとに山口県でおすすめのクリニック開業支援会社を掲載中。診療科目が違えば成功の「最適解」も異なるため、企業選びの参考情報としてご活用ください。

2022年11月に光市虹ケ浜で開院した、整形外科・リハビリテーションを中心とするクリニックです。開業支援は、山口県内でクリニック開業をサポートするライジングホールディングスが手掛けています。
開院当時、光市内では整形外科を標榜する医院が限られており、地域住民から整形外科開院を求める声があったとされています。地域の医療ニーズを踏まえ、勤務医として光市立光総合病院の整形外科に勤務していた院長が独立開業しました。地域で不足している診療機能を捉えて開業につなげた事例といえるでしょう。
診療では整形外科に加えてスポーツ整形外科やリハビリテーションに対応。運動器エコーを用いた診断・治療や保存的治療にも力を入れており、手術以外の選択肢を含め、地域で継続して治療を受けられる体制を整えています。
また、光駅から徒歩圏内に位置しながら駐車場も備えており、公共交通機関と自家用車の双方からアクセスしやすい点も特徴です。
